ページビューの合計

2013年3月10日日曜日

今後の日本国家はどうあるべきか(1)

YouTube: 今後の日本国家はどうあるべきか【1】西部ゼミ2012年1月1日放送
http://www.youtube.com/watch?v=1gTEwhxLy_4
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
何度も見たり、聴き直しながら作りました。
映像を見ながら、お読みください。
.
 題: 今後の日本国家はどうあるべきか(1)
・西部邁(にしべすすむ):評論家、雑誌「表現者」顧問、19
39年(昭和14年)北海道生まれ、1964年(昭和39年)東京大学
経済学部卒、
・あけましておめでとうございます。
 新しい年がやって来ました。
 昨年は、東日本の大地震とか、
 [東日本大震災の復旧復興、TPP交渉参加の大愚行]、
 TPPの大いなる愚行とか、
 大変なことが日本列島にもありましたが、
 世界中でもギリシャの財政危機、
 [世界に広がる全般的危機、ギリシャ・欧米の財政危機]、
 アメリカの財政危機、その他、大変な事態が、全般的危機と
呼ぶべきしかない状況が進んでいるようであります。
 その間、知識人・ジャーナリスト・評論家・その他が大失言、
大愚行を繰り返して来ましたが、
 [知識人・ジャーナリスト・評論家の失言と愚行の繰り返し]、
 [若い世代に対する期待、保守の若手論客が語る未来]、
 かくなる上は、
 若い世代に期待するしかあるまいという気持ちもありまして、
 今日は元旦でありますが、元旦早々、42万の方々であります
けれども・・・
[中野剛志(なかの たけし)・柴山桂太(しばやま けいた)・
施光恒(せ てるひさ)]、
・お三方を招き致しまして、
 果たして2012年は、どんな年となるか? 
 あるいは、ならせるべきであるか・・といった特別番組を、
1時間半やりたく存じます、御期待下さい。
・・・間奏・・・
<西部邁ゼミナール・今後の日本国家はどうあるべきか>
本:<グローバル恐慌の真相>中野剛志・柴山桂太 共著、集英
社新書
・どうもみなさん、よく集まって下さいました。
 何かねー、来年のことを言うと、鬼が笑うって言うけど、
 昨年の事を言うと、中野君、何が笑うの?
 仏が笑うの? 
 それはともかくねー、
 昨年ね、まっ、簡単に言えば、大地震のことで、科学とか技術
なんて、もともとねー、大異変が来たら、ぶっ壊れるものなのに、
東電の責任だ、何だで大騒ぎして、
 復興策が一向に進まないとか、
 あるいはTPPでねー、
 中野先生・柴山先生、頑張ってくれているのに、
 しくしくと何の議論も情報もなしに、ね、交渉参加決まるとか、
 うんざりなさっていると思うけど、
 最初にね、誰が笑おうとは構わないので、
 いったい、どうしてこんなことがね、こんなねー、
 何というのでしょうかねー、馬鹿騒ぎと言うか、精神の小児病
化と言うか、こんなことがねー、このご時世に起こるのか、
 感想を述べて貰うところから始めましょうか。
 TPPで、ひたすら頑張って居られて、お疲れの極みだと思い
ますけれども、
 元旦どうです、疲れてますか?
・中野剛志:京都大学大学院工学研究科(都市社会工学専攻)
准教授、1971年(昭和46年)神奈川県生まれ、東京大学教養
学部教養学科卒、
・もう、くたびれて、
 あのー、去年、1年は、よく、危機的な状況とか、危機、今、
危機にあるとか言いますけど、ほんとに危機だった訳ですね。
 私は個人的には、かなり危機的状況でしたけれども、最悪で
したけども、で、やっぱり大きいのは、一つは震災なんですね。
 で、
 震災の様な大きな危機があると、
 私はよく、まあ、後で議論になりますけど、
 特に、年配の方々、あるいは、
 [2011年の危機、3.11東日本大震災]、
 私たちは、子供のころから、よく聞いていた話は、
 日本は危機になったら立ちあがるみたいな。
 落ちるところまで落ちたら目が覚めるとか。
 良くそういうことを聞いた訳ですよ。
 でも、1000年に一度の震災が起きたワケですが、
 その間、ズーット、10ヶ月間ぐらい、はっきり言って放置さ
れていたわけですねー、
 [千年に一度の大震災、放置された復旧・復興]、
 だから、
 震災が起きて、危機が起きて、みんなで一致団結して、東北を
救おう、日本ぜんたいで頑張ろうと、
 口では言ってましたけど、全然やって無いんですね。
 でー、
 これだけ大きな震災があって、
 ちゃんと、復興ができないというのは、
 やっぱり、国が、もう、ダメになっている証拠がついに出て
しまったなーというのが、一つあります。
 もう一つ上げるとすれば、
 もうちょっと長い目で、歴史に思いをはせながら言うと、20
11年って、何の年かと言うと二つあって。
 一つは、まあ、どっかでも申しましたが、
 1911年に、小村寿太郎が不平等条約を改正して、ちょうど
100周年なんです。
 それから、真珠湾攻撃から70年。
 ということは、実は、不平等条約を改正して、まともな国に
なってから、たった30年でもう戦争に巻き込まれて、
 ぐちゃぐちゃになっちゃうという。
 たった30年なんですね。
 私、40年、生きてますけど、
 [不平等条約改正30年、真珠湾攻撃が始まる]、
 30年って、
 何か、歴史って長い様ですけど、あっという間に日本って、
そういう事になってたんだなーと思います。
 そうすると1911年から100周年、
 [関税自主権回復100年、真珠湾攻撃から70年]、
 真珠湾攻撃から70年。
 ところが、真珠湾のハワイでですねー。
 不平等条約の交渉に参加するという宣言をした訳です。
 そうすると、
 100周年も、70周年も、もう、ボロボロででしてねー、
 [野田首相がハワイで、TPP交渉参加を表明]、
 何かそのー、
 危機になると立ち上がるだの、
 日本の歴史を、何か作るだの、
 作らないだのー、
 全部、茶番だったと、
 元旦から、何か、悲観的で、視聴者の方がむかつくようなこと
を言って、お目出度い日に恐縮ですけれどもー。
・いやー、いいんですよ、
 比較的ね、多くのお目出度い方々にはねー、少しは言っていい
んですよ。
・てのは、まあ、率直な、実感ですね。
・ところでね、柴山さんね。
 今、中野さんがおっしゃった様に、1000年に1度の危機があっ
ても目覚めない。
 でもね、日本人、考えてみたら、他の国民・民族よりかは、
とりわけて愚かしいとかね、愚鈍だってことは言えないんですよ
ね。
 何かのね、原因があって、かくもねー、愚かしいことが起こっ
ていると、
 勿論、元を正せばねー、切が無いけども、
 近々て言ったって、この50年、100年の話がありましたけど、
教えて下さいよ。
 何で、かくも、愚かしくなることが、可能なのか?
・柴山桂太:滋賀大学経済学部准教授、1974年(昭和49年)
東京生まれ、京都大学経済学部卒、
・いやー、ホントにネー。
 だから、
 不思議なのは、
 これから、国家のビジョンが必要だとみんなが言うのですよ
ねー、
 出て来るビジョンてのは、基本的には自由化しようと、
 まあ、なんですよねー。
 でー、本当は、
 そのー、
 小泉改革があって、その反省があって、民主党が出て来た訳
ですけれども、ところが、民主党も色々やろうとしたのかもしれ
ないけれども、
 [小泉構造改革の反省で、民主党政権が誕生したはずが・・]、
 今、見ると、
 結局、そのー、
 例えば、TPPですよね、
 これはもう構造改革をもっと一層ね、
 そのー、国内では無くて、グローバル、全部含めて、出入り
自由にしようっていう話ですし、
 それから、震災の復興にしてもねー、
 そのー、復興ってのは、
 普通、国家が主体となって、こういう国をつくるんだと、
 そういう話が出るのかなと思ったら、
 そうじゃなくって、
 [復興の主体は国家、官僚と癒着だと東電叩き]、
 まあ、こうなったのは、全部、官僚と、そのー、電力会社と
の癒着が悪いから、これも自由化しようと、
 ついでに復興プランというのも、2011年の6月に出た復興法案
と言うのが、基本的には、
 あれですよね、そのー、
 復興特区というのを作って、被災した自治体に、
 もう、お金を上げるから自由にやって下さいという話にして、
 でー、
 復興自治体は、まあ、何とかしなければいけないっていうんで、
太陽光パネルの、何か、基地を作るとかですねー、
 [国家ビジョンを示さず、混乱に乗じた自由化の実験]、
 ほとんどが、多分、失敗すると
 私は思いますけれども、
 一種の混乱を利用した、なんて言うんですかねー、
 さらに自由化の実験をする様なね、話になっていて、
 それも、どこが国家ビジョンなのかという風な感じがする。
・じゃー、最初は自由についてしゃべりましょうか。
 施さんねー、御存じだと思うけど、
 かつて昔、
 福沢諭吉って、明治維新があって、十数年後かなー、文明論の
概略だから、明治12年ですかねー、その頃にねー、彼は、
 自由は不自由の際(限界)において生ずと、
 [自由は不自由の際(限界)で生ずる、福沢諭吉、明治12年]、
 つまり、
 不自由・抑圧・専制、そういうものがあった時にね、
 しかも、
 そういうものが、道理が通らない抑圧ね、その時にね、
 何で、お前たち、そこまで、威張ってるんだ、押し付けるん
だと・・という時の自由ね。
 つまり、
 自由が輝くのは、抑圧が無きゃいけないんだと、
 明治12年頃に、みんな、そんなことに、常識で解かっていたん
ですけどね。
 何ですか? この自由なんて。
 僕も、子供の時にね、親父が嫌いで、親父から自由になりたい、
学校の先生も嫌いでね、確かに、子供の時にね、そんな事を、
思っていたことがある。
 でも、あん時、考え直したですよ。
 自分自身にネー、自由にやらしておくと、これは、俺はとんで
もない人間かもしれないと。
 でたらめに、しごく自由にやるとかさー、不平不満を述べ立て
るだけの自由とか。
 結構、16・7で、反省したもんですけれどね。
 貴方、社会科学、ずーっとやっていらして、何で、こんな、
自由という言葉が、金科玉条となりおおせたのか。
・施 光恒:九州大学大学院、比較社会文化研究員、准教授、
1971年(昭和46年)福岡県生まれ、慶應義塾大学法学部政治学
科卒。
・今は、あのー、
 非常に単純な想定がある様に思えるんですよね、
 まー、かなり、これは新自由主義の影響だと思えるんですけ
れども。
(参考)新自由主義(しんじゆうしゅぎ)は、「新しい自由主義」
を主張する思想や諸政策であるが、歴史的には複数の用語の日本
語訳として使われている。
 一つは19世紀末のイギリスで興ったニューリベラリズム(英:
NewLiberalism)で、当時の個人主義的で自由放任主義的な古典
的自由主義に対して、自由な個人の実現のためには国家による
社会の改良が必要であるとする思想。
 一般には1980年代から盛んになったネオリベラリズム(英:
neoliberalism)で、ケインズ主義やフォーディズムによる福祉
国家(修正された自由主義)の行き詰まりを、市場原理を中心と
する古典的自由主義で解決しようとする諸思想諸政策(イデオロ
ギー、統治様式、政策)。
 経済的自由主義・自由貿易・自由市場・民営化・規制緩和など、
現代社会における民間部門の役割を拡大させようとすることを指
す。
 またこの用語は、政府の規制緩和と民間の役割拡大を進める
政策に対する批判的な用語としても使われている。ーーー
・なんて言うかな、全部の、あのー、
 [枠組み・土台のない単純想定、新自由主義の影響]、
 枠組みとか、舞台とか、土台というものが無くなって、
 はじめて、人間は、一段と、生き生きと活動できるっていう、
非常に単純な想定がある様に思うんですね。
 あのー、この前、毎日新聞のネットで勝間さんという、あのー
、女性の経済評論家の方が、こういうことをおっしゃっていたん
ですね。
 TPP、勝間さんは基本的に賛成であると、
 何故、賛成かと言えば、各国の間で、アジア・太平洋において、
各国の間で、共通の、コンピューターで言えば共通のOSというの
が。
(参考)OS【Operating System】別名 : オペレーティングシ
ステム, 基本ソフト::キーボード入力や画面出力といった入出力
機能やディスクやメモリの管理など、多くのアプリケーション
ソフトから共通して利用される基本的な機能を提供し、コンピュ
ータシステム全体を管理するソフトウェア。
 ソフトウェアの開発者は、OSの提供する機能を利用することに
よって、開発の手間を省くことができ、アプリケーションの操作
性を統一することができる。
 また、ハードウェアの仕様の違いはOSが吸収してくれるため、
あるOS向けに開発されたソフトウェアは、基本的にはそのOSが
動作するどんなコンピュータでも利用できる。
 パソコン向けのOSとして広く利用されているものにはMicro
soft社のWindowsシリーズやApple社のMac OS Xなどがあり、
企業などが使うサーバ向けのOSとしてはLinuxなどのいわゆる
UNIX系OSやMicrosoft社のWindows Serverシリーズがよく使
われる。ーーーー
・設定されるんであると、(OSって何?)、オペレーション・
システムですかね。
 要するに、あのー、マイクロソフトでしたらウィンドウズ7
とか、何かそういう様な基本ソフトですね。
 基本ソフトが、一番、共通のものが、各国の間であれば、あ
のー、経済活動にしろ、人々の活動にしろ、一番うまくいくから、
 だから、TPPは、あった方がいいんだと、
 加入した方がいいんだという話なんですけれども、
 非常に単純だと思うんですね。
 実際、それは人間が、生き生きと活動するためには、
 それぞれの文化とか、そういう社会的土台というものが、
 必要だと思うのですけれど、
 [枠組み・土台のない単純想定、新自由主義の影響]、
 そういうものを全部、取っ払ったところで、人は、一番、生き
生きと活動できるし、
 経済活動もうまくいくと、
 僕は、そういう風な何もない所で、人間は、一番、うまく生き
られるだという想定というのが、非常に、あのー、なんて言うの
かな、新自由主義の影響で広まっている、非常に単純な見方だと
思えますね。
・しかも、その考え方は、共通のOS、
 つまり、ルールとかを、画一化してしまおうと、
 国ごとに違うと市場が分断されてしまうので、画一化してく
れば、そのー、国境も無くなって、全部、同じルールであれば、
自動車の排ガス規制とかも、全部、国ごとに違うんじゃなくて、
同じにすれば、どんな自動車でも沢山売れるし市場はでかくなる
し、自由になる、・・と、
 こういう考え方なんですけど。
 ま、いくつかと言うか、問題は山ほどありますけども。
 一つ言えるのは、
 そのー、自由が大事って言う人たちっていうのは、選択の自由
が大事だとか言ったり、
 まー、言論の自由が大事で、いろんな意見が表明するのが大事
だと、
 ま、それは、かなり認めるところがある訳ですね。
 いわゆる、言いかえれば、
 多様性が大事だと言うわけです。
 ところがですね、
 同じOS、ルールを一緒にしちゃって、
 そのルールに則ってだけでしか行動できない。
 いわゆる標準化、ルールを画一化する。
 グローバルリズムというのはそういうものなんですけれども、
 これは、大変、抑圧的で、
 [ルールの画一化を進める、抑圧的グローバリズム]、
 ルールの自由とか、多様性とかを束縛するんですね。
・そのことにね、関係して、まー、また、しゃべっちゃうけど
も、ルールの画一、
 多様の問題ですけど。
 例えばね、あっ、こちら、貴方は法科、(あっ、そうです)。
 例えばね、
 法律的に言って、なんて言いますでしょうか、女性差別、
 あるいは幼児虐待をしちゃいけないっていうルールね。
 そういうのに僕、
 そういうのは画一的にやって良いの。
 ところがね。
 女性差別とは何であるか。
 幼児虐待とは何であるかを具体的に述べよと。
 こうなった途端にね。
 それは、中野君が言った様に、各国のね、文化とか、習慣と
か、
 もっと言うと、そういう時の状況にもよるんですよね。
 そうなってきたらですよ。
 画一的なルールは、必ずね。
 ほぼ必ず。
 抽象的な、
 例えば、女性差別とか、幼児虐待って具体化しようとしたらね、
必ず、各国の事情によるでしょ、
 その具体的な事をさらに画一化しようとすると、
 何が起こるかと言うと、
 結局、
 パワーゲームでのね勝者が決める。
 [具体的事例を更に画一化、パワーゲーム勝者が決める]、
 日本が関わっている問題で言えば、
 アメリカがね、ビッゲストパワーだから、
 アメリカが具体的に、数字を決めるわけですよ。
 で、例えば、関税で言えば、撤廃、0(ゼロ)とかね。
 そういうことをね、解からないんだよねー。
 何で、この人たちと。
 誰かかは分かんないけどね、こんな簡単なこと。
・だんだん、その事が、間違っていることが、色々と事実として
出て来ているんです。
 例えば、EUの、今の失敗というのがありますね。
 あれは要するに、EU内グローバルリズムをやった訳ですね。
 つまり、ヨーロッパの何十カ国が、もともと国の文化も違えば
ルールも違った。
 ルールを一緒にしてみたんですよ。
 してみたら、あちこちで色んな問題が出てきて、
 こっちじゃ真面目に働くけれど、あっちは働きたくないと、
 で、こっちはお金が稼げて、あっちは稼げない・・と、いうん
で、
 代表が出て来て、お前はお金をどうすんだという話になって
くる、
 [ルールを一緒にすることで、あちらこちらで争いが起こる]、
 だから、ルールを一緒にしようとすればするほど、あっちこっ
ちで争いが起こっちゃう訳ですよね。
 とすると、今、先生がおっしゃった様に、ドイツとかフランス
の様な力の大きな国が、ギリシャとかに頑張れと、こういう風に
しろと言う訳ですよね。
 同じことが、TPPやっても、同じこと起きるのですよね。
 EUのあの事情を見てて、どうしてまた、グローバルな状況が
良いのか?
・どうしてどころかねー、結構ねー、嘘もつかれててねー、
 去年カナー、僕も、人に教えられて、ちらっと見たんだけれ
ども、竹中平蔵という人が居るのを御存じ?
 知っているかー、(知らなきゃよかった)、
 その人がねー、例えばねー、
 自由貿易っていうのは、アダムスミス以来ね、世界経済の、
言ってみれば、共有されている価値観であると。
 これに逆らうなんていうのは、とんでもない。
 不可能でもあるし、とんでもないみたいな、
 [自由貿易はアダムスミス以来、世界経済の共有された価値観]、
 でもね。
 これね、相当程度、あれなんです、
 [竹中平蔵氏による、自由貿易めぐる嘘話]、
 嘘なんですよね。
 まあ、こういう場で、あまり細かい理論は出来ないけども、
 アダムスミスが考えたのは、あれですからね、
 コモンウエルス、
[アダムスミスが考えたのはcommonwealth英国のための国益]、
 つまり、イギリスのね。
 イギリスの国益になるために、どうすればいいかっていうので、
イギリスにとっての自由貿易、自由理論という経済理論、やった
ことは確かだけれど、
 これね、中野先生の専門で、詳しいことでしょうけども、ほぼ
ね、踵(きびす)を接するようにドイツでは、ティストラ、国民
経済のもとに、
 [ドイツでは国民経済を、国家で保護・管理する]、
 ね、国家で保護なり、管理なり、なんなりしないとね、ダメな
んだという事を言って来て、
 でもね、そんなこと切がないけど、最終的にこうでしょ、
 僕ねー、経済学は35歳のときに、あまり下品な学問だから止
めたんですけどね、覚えてますよ、つまりね、自由貿易が、貿
易当事者にね、それなりに利益を与えるということの条件、い
くつもあるのだけれど、最大の条件の一つはね、生産要素、資本
とか労働がね、簡単に国際的に移動しないという条件がある、
 [貿易当事者に利益を与えるのは、生産要素が簡単に移動しない
事]、
 でもね、今、まさに、世界中にですよー、資本移動でさー、
現地生産で、
 どころか、労働者だって、最近、日本人の労働者は現地採用と
言って、
 例えばね、日本で採用されないから、どこへ行っているのと言
うと、タイと何かに行って、タイの安い賃金で、タイ人と同じ様
な条件で、日本企業に、(条件がタイなんだー、あっ、すいませ
ん)(笑い)、
 そっ、そういう事、
 公然と嘘をついているの、(そうですね)、
・あのー、これねー、でももう、これ結構、欧米の方では、もう、
これはまずいっていう話は出て来ているんですよー。
 そのー、竹中さんと同じ経済学者の中で、あのー、これは、
中野さんの方が詳しいでしょうけど、
 底辺の競争と言うねー、議論があって、レース、トゥー、ザ、
ボトム、(教えて)
・いやー、簡単に言うと、底辺の競争と言うのは、国際競争力で
競争するので、簡単に言うと、
 一番、賃金の低い所に合わせて、みんなが賃金を引き下げなく
てはいけない、
 だから中国に合わせて、みんなが引き下げなくてはいけない、
 [Race to the bottom、低水準(低賃金)へ合わせる競争]、
 ところが、
 中国はベトナムが現われると、引き下げなくてはいけない、
 一番低いところへ揃(そろ)って行ってしまう、
・だから、
 TPP、結んでも、資本の移動が自由だと、日本の企業はどん
どんベトナムに行って、
 で、ベトナムで物を作りますよね、
 すると、日本の労働者は、そのまま失業しちゃうから、日本の
労働基準とかが、ベトナムのレベルに引き下げるという競争が
始まるんですよね。
・しかも、現にねー、テレビでやってるのよー、そういう風に
して海外投資が進むんで、産業空洞化が進むとか、ね、
 それから安い物が入ってきたりね、安い賃金にまで、ボトムに
合わせられるから、日本のね、賃金・その他が安くなって、国内
需要が減ってね、どんどんデフレは進行する。
 こっちで騒いでるのよ、で、こっちで自由貿易バンザイと。
・その通りで、さっき柴山さんがおっしゃった様に、EUってい
うのは、EU内のグローバル化を、すべて失敗したのを、みんな
見ているわけですよ。
 一方で、そのー、今、おっしゃった様な話っていうのは、グロ
ーバル資本主義が進み過ぎて、オキュパイ・ザ・ウォールスト
リート運動というのがありますね。
 ウォール街を占拠せよって、大デモ行進をやっている、
 [グローバル資本主義進み、Occupy the Wall St]、
 それが、世界の流れだと、
 みんなが見ながら、彼等が批判している先の、グローバル資本
主義の延長であるTPPに賛成しない手はないって、
 何を言っているのかが、まったく、理解できない、
 [グローバル資本主義の間違いは明らかである]、
・まさに、その通りで、
 世界の現象では、グローバル資本主義の間違いってのは、かな
り明らかとなっている。
 一方で報じながら、TPPには、やはり、自由貿易が必要だから、
交渉参加した方がいいという話を、延々としていたわけですか
らねー。
・面白いですねー、あのー、日本の首相、野田さんかー、
 僕ねー、去年、テレビ見ていたら、こう言うのですよね、
 みんなが言っていることらしいんですけれども、
 アジアの競争力を取り込むと、
 みんなは、「ふうーん」と頷(うなず)くらしいんですよ。
 ちょっとねー、例が強引だけどね。
 いいですよ、ひとの競争力を習って、取り込むのはいいんだけ
ど。
 例えば、僕、結構、新宿で飲むんですけどねー、
 新宿、最近、歌舞伎町行かないから、暴力団に会ってないけど、
仮にですよ、暴力団に会った時に、僕に、暴力団の競争力を取り
込むなんて、誰も思わないよね、そん時は、知らん顔して通り
過ぎるとかさー、
 例えば、競争力ということは、自由と同じなんですけどね、
言葉があるでしょ、
 言葉から子供っぽく、獏たる雰囲気、えっ競争力?良いことじゃ
ないのー、えっ自由?素晴らしいことじゃないのーっという、
 何っていうのかね、ムード?
・それはありますよ。
 だって、だから、さっき、先生がおっしゃった様に、自由貿易
が成り立つための条件は、資本移動が無いこととか、あるいは
そのー、両国で失業者が居ない事とか、色々あるんですが、
 [自由貿易の成立は資本移動が無く、両国間に失業者がいない
こと]、
 連中は、そういった理屈を、分かってて、分かって無くて言っ
ているのではなくて、自由貿易っていう言葉のイメージで言うの
で。
 もっと言うと、自由貿易って言うとおかしいのではないかと、
じゃー、鎖国すればいいのかと、
 (あー、そういう事)、
 鎖国と自由貿易との差は、随分と差があるんですけど、結局、
その程度というのが一つ。
 もう一つはですねー。
 これは、構造改革とか、新自由主義とか、市場に任せよという
議論と同じなんですけど、こうなんですよ。
 自由貿易をしないで、
 例えば、管理貿易をする、
 鎖国はできないにせよ、ここの分野については守る、ここの
分野については自由にするとか。
 こう政治で決めていくというのは、結構、大変なことなんです
よね。
 ところが自由貿易にしちゃうと、全部、何にも政治はやらない
で、適当にやって、出た結果、勝った者が正しい。
 つまり、責任は負わないんですね。
 で、政治がもう、ものを考えなくてよくなる。
 だから、自由貿易にして何が良くなるということを、彼らが
言っているんじゃはなくて、兎に角、政策を放棄する。
 政治を放棄して、ほったらかしにして、
 出た結果は、みんな、認めなさいというと言っているだけなん
じゃないでしょうかね、
・新自由主義の政策を取る政権と言うのは、長続きするところが
ありますよね。
 これは自己責任だから、別に政治が悪いわけではないってい
う、
 逃げが可能になるところがあるんじゃないかと思います。
 [新自由主義の政策とると、政治が責任負わず長期政権に]、
・サッチャー政権も、レーガン政権も、小泉政権も、このー、
新自由主義的な改革と言うのは、敵を想定してぶったたくので、
さっきの労働組合とかですね、
 (そうか)、
 ところが、
 敵が多いと政権と言うのは長続きしない様に見えるのですが、
実際には、そういう新自由主義の政権は、みんな長生きしている
のですよね。
 今、施さんがおっしゃったように、自己責任と言ったじゃない
か、俺たちには責任がないんだから、
 ということで、その政権の責任は問えなくなる。
・柴山君さー、僕、今、聞きながら思い出したんだけれども、
貴方が、去年、僕に、酒場で教えてくれたエピソード、
 えー、新聞社か出版社か忘れたけれど、
 その名前を上げない限りにおいてさー、あの話、もう一回して
下さいよ、みんなにね、
 保護は良くないけど、管理は良いという話。
・保護貿易と言うと、やっぱり、色々と、これねー、しかし、
それだけじゃなくて、兎に角、昔、そのもっと前には、あのー、
共同体っていうのはねー、僕は、そのー、共同体と言うのは、
まあねー、あまり、堅苦しい言葉ですけれども、この場合は、
常に地域社会と言うねー、つないでいる様な人間関係みたいな
もの、そういうものがやっぱり、地域というのが発展する上にお
いて必要じゃないかと書いたんですよね。
 共同体という言葉は止めてもらえませんかと。
 で、どうしましょうかというと言うと。
 コミュニティーという言葉に変えて下さいと。
 同じコミュニティーっていうと共同体という英語に。
 この間、
 保護主義というのが、まあ、一定程度、この場合は、保護主義
と言うのは鎖国しろと言う訳では無くて、まあ、今、中野さんが
おっしゃった様な、貿易を管理する国家の主体性というのを大事
にしましょうという話だったんだけれども、ま、でも、この言葉
は、ちょっと、あんまりー、言われてしまうとね。
・それで、貴方がでしょ?それで、貴方が管理貿易って書き換え
たら、管理貿易ならいいでしょと言われた。
 これ、ほとんどね、なんて言うんでしょうかねー、なんて言う
んでしょうかね、小学生以下なんですよね、国土が悪くて、管理
ならなんとかってね、ほんとにねー、先ほどから気になっている
のは、ちょっとした言葉のね、ニュアンス、
 あっ、みんなが何か、なんて言うのかな、言葉の仕分けってい
うのがあるんですね、
 何かこれは悪い言葉、これは良い言葉、
 ちょっと、むしろ、保護貿易よりか管理貿易、
 僕ならねー、きついと思うんですけれどねー、
 保護にも保護で色々あると思うんですけど、管理って言った
ら、官僚が出てきて、管理でしょ、マネージでしょ、
 具体的なシステムを使って、具体的な数値を上げて、それが
管理ですもんね。
・生活保護も生活管理、ちょっと、その方がきついですよね。
・環境保護では無くて、環境管理?(笑い)、そっちのが凄そ
う。
ーーー間奏ーーーおわり