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2013年4月22日月曜日

国民の税金が本当に生きて来ることになります。そして、その様にして戴きたい。

題:国民の税金が本当に生きて来ることになります。そして、その様にして戴きたい。
(真を求めて 皆様と共に幸せになりたい)
.
 『鉄骨製が○○年、コンクリート製が○○年』と橋の耐用年数
についてテレビで報道していた。
 法隆寺の木造は1000年以上であるというのに、鉄骨やコンクリ
ートは何でこんなに短いのだ・・・? 極端に短いではないか。
 それは木という性質とは違うからだ(材質の違いだ)・・・と
言うが、本当にそうなのか?
 放送されていた耐用年数は、真実の様に聞こえるが、作られた
年数なのではないのか?
 だから、その年数になったら壊して、造り変えなければならな
いのか?
 以上の様な耐用年数は、国民の方々は呪文のように言われ、頭
に詰め込まれて来ている言葉となっている。
 しかし、ある意味、「洗脳されている」とも言える。
 そして、このテレビ番組において、この社会資本の橋の管理者
の方が言っていることは、「20年以上前に点検しましたが・・
・」の公共機関の管理者の声が流れる。
 これは、1事例ではありますが、実態を示しています。
 これでは、管理ではありません。放置です。
 この事例の、公共施設に使われている構造体の鉄というものに
ついて深く申し上げさせて戴くと、
 ご存じの様に、鉄は、鉄と酸素と水があれば酸化鉄の発生(錆
る)となります。
 その様な状態の事が起きないように、保護塗膜が塗られます。
 錆るという性質の鉄を使用している構造体・鉄と接するところ
には、まず、防錆塗料が塗られます。
 そして、下層・中層・上層と3層の塗膜が塗られます。
(この塗膜層数は多くなる場合もあります)。
 最上層の塗膜層は、太陽光を直接受けますので、紫外線による
劣化(化学変化)を受けることになります。
 それため、より紫外線劣化に耐える塗料が選ばれ(耐候性の良い
塗料)、塗られます。
 この様な、構造体の鉄部の保護塗膜の劣化は、上記した様な太
陽光の紫外線による化学変化の劣化や、
 鉄部の年における気温変化による伸び・縮みにより、塗膜の追
従性との関係で、細かい塗膜のひび割れが発生したりの劣化が起
きています(繰り返し劣化)。
 経年において、これ等の劣化作用による塗膜劣化が、
 鉄と酸素と水が一緒になって起きる酸化という劣化が起きない
よう(錆ないよう)にしているのですが、
 構造体の鉄部の一部分に劣化因子が達し、条件を満たすと、こ
こから錆発生が開始されます。
 最初の錆は、小さなピンポイントの錆として発生します。
 この時が、重要なサインとなっているのです。
 塗膜の保護機能が、『一部分で破れましたよ』と知らせている
のです。
 このピンポイントの錆を発見した時こそが、重要なメンテナン
ス時点という認識を持っていなければならないのです。
 「防錆が破れたというサインを送って来ているな」と判断し、
メンテナンスを行なえば、最適なメンテナンスを行なったと言え
るのです。
 当然、簡単な塗装で済み、安価なメンテナンス費用で済みます。
 上層塗膜の上に補強保護塗膜を、もう1回塗って、塗膜層数を
加えるだけで十分だからです。
 しかし、この様な、最適メンテナンス時期にメンテナンスを
している公共施設をほとんど見たことがありません。
 「そんなに早くする必要が無い」と思っているからなのでしょ
う。
 それでも5年~7年の時は流れています。
 これは無駄な工事なのではありません。
 しかし、この時期に、メンテナンス工事を行なわない、やらな
いという事が、税金の無駄遣いをしないでいるという意識・認識
からなのか?
 また、早すぎるという自分が作ったメンテナンスサイクルの
思い込みからなのか?
 誰かに思い込まされているメンテナンスサイクル年数が頭に
あるからか?
 公共施設では、ほとんど、この時期のメンテナンスが行われて
なくて、メンテナンス最適時期を逸しています。
 そして、その後の、大変なお金と手間がかかる時期にメンテナ
ンスを行っています。
 本当に無駄なこと、勿体ない事をしています。
 ピンポイントの錆発生時に何もしないで、放置するとどうなる
のでしょうか?
 ピンポイント的に最初に達した酸素と水は、鉄部表面に錆を発生
させます。
 そして、その錆は体積膨張をしますから、構造体(例えば、鉄
橋などの公共施設)の鉄部表面のその錆は、(塗膜内部の構造体
の鉄部表面で)、周囲の保護塗膜を膨張により持ち上げます。
 周辺塗膜は持ち上げられるから、塗膜と構造体の鉄部との間に
隙間が出来ます。
 隙間ができれば、当然、より多くの水と酸素が入り、そして、
入り易くもなります。
 持ち上げられた塗膜と鉄部の間の隙間に入った酸素と水は、今
度はピンポイントではなく、より広い面積範囲を発錆させて行き
ます。
 こうなっていくと錆範囲は急速に広がっていきます。
 塗膜は、どんどん広い範囲に拡大し、持ち上げられ、錆も鉄部
の深層へと入って行きます。
 そして、最初に発生した部分などの経過時間の長い、より劣化
した所の塗膜は、剥落するようになります。
 この様に急に拡大して進んで行く鉄部の錆による劣化。
 テレビなどで見た公共施設の鉄部の場合、ほとんどが放置状態
です。
 まったく劣化の進捗状況が頭に入っていないか、または、無視
している状態です。
 テレビに出演していた1事例の公共機関の責任者の方は、「20
年前に点検しました」と言っていましたが、まったく点検をして
いないというレベルです。
 日本の公共機関の当事者の意識はこのレベルであろうと想像で
きます。
 この放送事例は、特別な例ではない、一般的な事だと、経験か
ら想像できます。
 「放置していれば、何でも駄目になります」。
 公共施設・社会資本の管理者の方々の意識は、保護塗膜が錆色
になり、保護塗膜に剥落が見られる様になった時に、やっと、「
そろそろメンテナンスをしなければなー」と思うらしく、完全に、
適切なメンテナンス時機を逸しています。
 それでも、メンテナンスをやる方はいい方です。
 日本はもっとひどい事例が本当に多い状態です。
 構造体の鉄部に欠損が見られるほど駄目になっている事例が珍
しくありません(構造耐力の欠落なのです。大きな問題です)。
 時期を逸して、塗膜の剥落が見られる様になった場合のメンテ
ナンスは大変です。
 大変な手間がかかり、費用も急拡大します。
 構造体の鉄部と保護塗膜の間に少しでも錆があるケ所は、完全
に除去・削り取らなければなりません。
 なぜなら、少しでも錆を取り残した場合、その鉄部の錆が隣の
鉄部の錆を誘発するからです。
 不十分に、錆の除去を完全にできなかった場合、すぐに、短い
期間に、再びメンテナンスが必要となります。
 また、費用がかかり、最悪です。
 故に、いかに丁寧に鉄部と保護塗膜の間にある錆を落とすかに
メンテナンスの丁寧さに、その品質が、かかっているのです。
 何故、こんな大変な時期まで、メンテナンスしないで放って
おいたのか・・と、言いたくなります。
 サンダー(グラインダー)で丁寧に鉄部の錆をとる事がメンテ
ナンスの生命線です。
 しかし、十分にやるということは難しいのです。
 どんな狭いところまでサンダーは入りません。
 時期を逸すると、この様な仕打ちが待っています。
 手間がかかります。
 金がかかり、税金が無くなります。
 しかし、日本の現状は、この時期にすら、やらない事が多いの
です。放棄としか表現できません。
 耐用年数が来たのなら『造り変えればよいのだ』の思想です。
 「だから放っておけ」とお考えなのでしょうか?
 これでは「税金がいくらあっても、足りなくなります」。
 『これからの公共施設の造り変えをどうしていくのだ』との声
も聞こえます。
 放ったらかして置いたら、何でも造り変えになります。
 メンテナンスを重要視しない悪弊が日本にあります。
 メンテナンスをしない状況を・・・税金の無駄遣いをしていな
いと思い込むという「間違った思い込み」が日本にあります。
 造り変えになれば、ゼネコンは喜びます。
 ゼネコンは、壊して造ってもらえれば、仕事も増えるので有難
いという業態の企業です。
 日本は、メンテナンスの重要さを認識する管理者教育が、大変
に大切であり、
 また、メンテナンス工事を専門に、効率的に、そして、技術的
に行なえる専門業者や業界を育て、
 官民の研究機関が協力し、その業態・業界・業者を応援し、育
て、そして、若者を投入して行くべきです。
 そして、育った日本の技術を持った専門業界・専門業者・専門
技術者・専門研究者の方々は、その技術で世界へ向けて行動を興
して行って戴きたい。
 ゼネコンではなく、この専門業界・専門業者・専門技術者・専
門研究者を『陽のあたる名誉を与え、育てて、大切にして行く必
要性があります。
 そして、ゼネコンと健全な競争ができる様にして戴きたい。
 そして、日本の公共施設は当然のこととして、日本に限らず世
界に、開発し習得したその技術を示していく、行動していくこと
が、大変重要なやるべきこととなっています。
 そして、その大切さ重要さに気付くべきです。
 ゼネコンと競争する業界・業者・体制をつくることが大きなメ
リットを生みます。
 上記で、鉄構造について、細かい話をしましたが、コンクリー
トの場合も同じです。
 コンクリートの場合でも、日本の現状・実体は、今、話した鉄
構造体と同じ現象が起きています。
 本当に実体を知っているのだろうかという実態です。
 コンクリートの場合も、事を知らないし、放ったらかしにして
いるという状態です。
 点検も、「遠くからの目視点検で済ませていました」と言う。
 最近になって、やっと、点検対象物の構造体自体に直接触れて、
各種の点検をするようになって来た様ですが、まだ、このレベル
です。
 メンテナンス技術を日陰の技術にしない様にして下さい。
 研究者を表彰し、業者を表彰し、名誉を与えてやってください。
育てて下さい。
 その育った方達によって、厚い技術陣が構成されるようになれ
ば、また、より高い次元へ技術を磨いて行くこととなります。
 技術は、以前より、より細かく詳細に分析したり、また、より
深い点検により知った「詳細なデータ(悪さ加減のデータ)」に
より、どの様に修復し、初期の耐久性を維持するか?、また、回
復させるか?と進歩の繰り返しの技術発展となります。
 現状でも、日本には十分な技術がありますが、より高度な、幅
広い数々の技術が進展して行くでしょう。
 公共施設の耐用年数は、一律に何年と決めるものではありませ
ん。面倒見が良ければ長持ちします。
 逆に言えば、メンテナンス技術を適切に使っていないという問
題が大きいのです。放っておけば短い耐用年数となります。勿体
ないことです。
 コンクリートも、鉄構造物と同じ様に長い耐用が期待できるの
です。
 アルカリ性の付与をして、構造主体の鉄筋の錆発生を防ぐとか・
・・。高度なメンテナンス技術も開発されてます。
 レインボーブリッジも、木更津へ行ける様になった便利な公共
施設も、数十年で造り変えるのでしょうか?
 違います。そうしてはならないのです。
 レインボーブリッジは、メンテナンス計画がしっかりある様
です。長い年数の耐用年数が期待できます。
 公共施設に於いては、特に、管理責任者に、「造り変えまで何
年だ」の年数を想念させるのではなく、長い耐用が可能なのだと
教え知らせ、そのための「しっかりしたメンテナンス計画書」を
作らせ、それを一つ一つ丁寧に実行する大切さを認識させて行く
べきなのです。この事が大切なのです。
 国民の税金も、本当に生きて来ることになります。
 テレビでは、鉄橋の最悪状態を映し出していました。
 それは、橋桁の鉄構造物(H型鋼)が錆びて、あの厚い鋼材の
エッジ部分が欠損しているのです。
 あまりにも酷い放置です。無為無策です。
 しかし、この大切な橋の公共施設も、一流の建築士事務所など
に補強対策を検討させ、補強工事をし、供用に耐えていく様に
すべきです。
 造り変えではなく、適切な補強工事で、長い使用に耐えること
が出来るのです。壊して造り変えてはいけません。
 別のある橋についての報道では、使用している年数が長くなり、
劣化が進んだから、自動車の交通を止めていますとの内容の放送
があったが、あまりにも酷い事例です。
 建設時の目的を達していない公共施設。メンテナンスや適切な
補強工事を怠ってきたということ。そして、現在、この事態が起
きているということです。
 「だから造り直すのだ」の声が出て来るのだろうと予測できま
す。この場合、適切な補強工事をして、公共施設の目的を、常に
達する様に、維持して来るべきだったのです。
 安易な造り変えの案を実行し、造り変えの多額な税金の無駄使
いは絶対にしないでください。
 補強工事を多用し、メンテナンス工事を大切に実行し、「長く
使って行くのだ」との方向で行くべきですし、また、その方向の
技術の経験と蓄積をしていくべきです。
 そして、日本で培ったその技術で、世界の社会資本をも、日本
の技術と経験で、修復し維持して行くという、修復・維持技術の
先端に立って行って戴きたい。